生と死をテーマに作品を発表してきた荒木が2000年代に入り、前立腺癌の発症、ガン宣言及び摘出手術、愛猫チロの死などを経験し、自身の「往生」を意識し始めたのを機に企画された展覧会だそうです。

前半はデビュー作「さっちんとマー坊」をはじめとする荒木が出会い撮影してきた「顔」、妻の病室から撮影したのを機に現在も日課として撮影している「空景」をテーマに、後半は自宅の屋上から”定点観測”した作品など「道」をテーマに、過去の代表作のみならず、2000年以降に撮影した新作も交えた構成となっています。

荒木経惟 往生写集2
展覧会前半。
私のお気に入りは、この部屋に飾ってあった写真です。
写真にうつっている壁面の写真は、4面のうちの1面。

荒木経惟 往生写集1
展覧会後半。チロの死を写した作品。
一緒にいた息子は、「猫がみたい。猫がみたい。」といって
この部屋から立ち去ろうとしませんでした。
猫が往生する様を、いつくしんでいるようでした。

「写真を撮るというのは瞬間を止めることなの。
アタシの言葉でいうと息を止めるというか、仮死状態にすること。
それをプリントで見せる時に生き返らせるわけ。
だから生と死や彼岸と此岸とか、この道を行ったり来たりして、
よろよろしながら日記をつけるように撮っている感じなんだね。」
荒木経惟(特設サイトより)

荒木経惟 往生写集 顔・空景・道
http://www.museum.toyota.aichi.jp/ojo_shashu/
2014年4月22(火)- 6月29日(日)
豊田市美術館

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