大学生のとき興味本意ではじめた陶芸が、今では私の人生の一部になっている。

現在、自宅工房で作品を作るかたわら陶芸教室で講師兼アシスタントとしての仕事をしている。
教えるという作業と、作るという作業は少しちがう。
人に教えることを通して、新しい何かを自分が教わっていることに気付く。
例えば、立ったままろくろをまわしたり、壊れた作品を修復したりする作業は
この仕事を通して学んだ。
また、刺激も多い。
生徒さんのとんでもないアイデアに驚かされることがあが、
このような発見もこの仕事の面白さだと思う。

陶芸をはじめてから、忍耐強さと集中力が人一倍身についた。
作品と接する毎に、細心の注意と細かい気配りを要求されるからだと思う。
美に関する視野も広がった。
以前は好きなものだけを見て、その素晴らしさを感じていればいいと思っていた。
でも、今は好きでないものの良さがわかる時がある。
そう感じることができるとき、陶芸を通して自分が成長したことを実感する。

作品の明暗は、作品が窯から出た瞬間に決まる。
ここまでの作業がどれだけ上手くいっているように見えても、
窯から出るまでは作品の出来栄えは全く分らない。
だから、最高に嬉しい瞬間も、悲しい瞬間もこのときに集中する。
イメージどおりの作品が出来上がったときは本当に嬉しくてたまらない。
「次も頑張るぞ!」 体の中に充実したエネルギーが満ち溢れる。
しかし、大概焼きあがりで裏切られる。
その時は、本当にショックだが 「次こそは(頑張るぞ)!!」
負けず嫌い根性がふつふつと湧き上がってくる。
いつもそのどちらかである。
どんなに嬉しくても、悲しくても 結局 “次” がある。
だから陶芸を続けてしまうのかな。

陶芸の作品は大きく分けて2種類ある。
日常(道具としての器)と非日常(美術品としての作品)。
使って感じてもらえる良さ と 見て感じてもらえる良さ。
もちろん日常あっての非日常、逆もまた然りなので、どちらも大切にしたいと思っている。
そのあたりは難しいところだけど、うまく使い分けたモノづくりを心掛けている。

最新作 『シヅク』(写真:左、一枚目)。
今後もしばらくは 『シヅク』 を展開したものを主にに制作していく予定だ。
“しづく” もそうであるように、自然界のものから新しいカタチを産み出していきたいと思っている。
最近見に行った、芸術家富本憲吉さんの展覧会にあった彼の言葉、
“模様から模様を創る可からず”・・・
この精神を大切にしたい。

また、伝統を学ぶことも重要だと思っている。
過去の素晴らしいカタチや模様を、
自分の中にうまく取り入れて私なりの表現に変えていく。
伝統にわたしの美を付加し、新しい価値を産み出せるよう努めていきたい。

私の目標「世紀を超えて残る作品をつくること」
この目標に向かって、これからも勉強を重ねていきたい。
2002年 南山大学 文学部人類学科(民族学専攻)卒業
2004年 多治見工業高校 陶磁科学芸術科(通称 専攻科)卒業
2005年 セラミックパークMINOにてグループ展 『ケン舎展』
2005年 東京 青山 蔦サロンにてグループ展
2006年 東京 青山 蔦サロンにてグループ展
2006年 岐阜市美術展 工芸部門入選
2007年 岐阜県美術展 佳作
織部の心作陶展 入選
東海伝統工芸展 入選
岐阜 ART GALLERY 水無月にて二人展 「青と黒の器」
2008年 織部の心作陶展 入選
東海伝統工芸展 入選
東京 青山 蔦サロンにてグループ展
岐阜 ART GALLERY 水無月にて個展 「行雲流水」
2009年 朝日現代クラフト展 入選
東海伝統工芸展 入選



